みうみんのラノベ(深読み)屋さん

基本的に読んだラノベについて感想などを記録の意味も込めて書こうかなと。深読みもする。

『結婚が前提のラブコメ 2』感想と考察的な何か。

〝なんとなく〟から始まった物語が、〝なんとなく〟の魔法を連れてきた。

突如鳴り響いた春雷は、恋という名の魔法を落としていった。

その魔法が解けてしまっても大丈夫。
ガラスの靴だけは消えないから。

これだけは〝仮初〟なんかじゃないから。

だから、

「いってらっしゃい━━シンデレラ」

 

 

 

 

どうも!ラブコメに恋をしたみうみんです!

タイトルにもある通り今回はこちら

 

結婚が前提のラブコメ (2) (ガガガ文庫)

結婚が前提のラブコメ (2) (ガガガ文庫)

 

 

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 がのラブこと、『結婚が前提のラブコメ』の2巻になります!!

 発売されてから早いもので1週間経ってしまいましたね!遅読の私が珍しくちょっと前に読み終わりましたよ!すごくない?と、そんな話はよくて。

 感想など思ったこと書いてくぞい!諸事情によりメロンブックスさんの特典SSまだ読めてなくてちょっとあれなところもあるかもですが、読み終わったらそちらも追記します。とにかく今の気持ち書きたい!!先に書くこと挙げとくかな。

 

・春雷

・今巻の主役

・本誌とタペストリーのイラスト

・誰でもない誰か、誰にもなれない誰か

・〝なんとなく〟の魔法と〝答え〟 それと、『魔法少女さんだいめっ☆』

・彼女と彼女

・まとめに

 

 

 

【春雷】

今巻オビにも使われている言葉。前のあとがきの話でも書いたけどもう一度。

 

〝春雷〟とは? 字のごとく、春に鳴る雷のことを指します。春の到来を伝える雷とも云われ、冬眠していた虫たちが雷鳴に驚いて目覚める意味から「虫出しの雷」ともいわれたり。

 まぁ、そこはふむと。なるほどなぁで済むんですけど、もうひとつ気になることが……雹を伴うことがあるという部分です。これ一つだけでなんか不穏な空気が……

 明るくて元気が出るそんな春なんだけど、違う一面もあるよ的な? 

 

  がのラブに、彼女たちに春が来た。でも、それだけでは終わらない。

 

 オビ、あらすじの時点で担当編集岩浅さんのセンス、パワーをひしひしと感じ……脱帽ですよほんと。

 

 

【今巻の主役】

今巻の主役はもちろんこの方

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早乙女カレンです。

早乙女=田植えの日に苗を田に植える女性。乙女。

 日本の女性……"女"って感じがするカレン。
  元令嬢のカレン。

 庶民的?みたいな印象と貴族的な雰囲気の一粒で二度美味しい女性。

 しっかり者で、他人を思いやる優しい心を持っていて姉御肌。でも不器用でこれだけは譲らないという熱いものも持った女性、そんな彼女のメイン回です!!

 

 

【本誌とタペストリーのイラスト】

 まず、タペストリーのイラストなんですけど……

 綺麗だ。この言葉に尽きますね。

 その中でも、カレンの周りに咲いている花……

 白い椿ですかね?疎くて申し訳ありません。

 だとすれば……
 椿全般の花言葉は「控えめな優しさ」 「誇り」

 白い椿の花言葉は 「完全なる美しさ」「申し分のない魅力」「至上の愛らしさ」

(花言葉大好き人間でごめんなさい)

 まさしく。早乙女カレンにピッタリでは?

 いつも誰かを優先して、損な役回りを引き受けてきた優しい部分。家族が大好きで周りとか外聞とか気にしない芯の通った強い部分を持ち合わせている、美しい女性だなと思います。

 この花はすぐに目につくと思うのですが、もうひとつ大事なものが(すぐ見つけた方もいるはずですが)、左手の小指にはめられたピンキーリングです。

結婚指輪などを左手の薬指にはめる~など聞いたことが多いかと思います。実は、指輪をつける場所に意味パワーがあるらしいです。

 2巻表紙、タペストリーのカレンは左手の小指にはめています。

 ピンキーリングにこめられているものは、「チャンスを呼びこむ」、「恋を引き寄せる」、「変化とチャンスの象徴」とされています。

 

 前は中指にしていたらしいですよね指輪を。

 ミドルフィンガーリングと呼ばれています。

「協調性を高める」、「判断力を良くする」、「人間関係の改善」

 

 あの時は中指で丁度良かったのに、今は小指。

 学生時代とか幼かった時から今はこうだよ、と変わるんだという強くて熱いものを感じ取れます。

 

 さりげなくイラストに仕込ませている当たりすごいなぁと頭が上がりません。吉田ばな神ですほんとに!!

 

 

【誰でもない誰か、誰にもなれない誰か】

 ちょっとこれは自分があっと思った。なんか分からないけどうわぁぁぁってなった部分について述べます。

 

 カレンが大切に想っていた姉のような存在、マリアの所在を探るため、古屋という探偵に所在をつきとめる様に依頼しますが…… その古屋の描写で、誰とも似ていないという描写があります。ここで私は、ん?と考えました。

 普段の生活の中で、この人はこういう人…… などと決めつけ色眼鏡で見ている節が私にはあります。

 こうなりたいとか幸せをとか…… 何かを求め走っている人が描かれている一方で、何者でもない誰かが描かれているような構図に言葉にすることが難しい何かを私は感じました。

 

※本当に私がただ思ったことで的外れだと思いますが思ってしまったのです。

 

 

【〝なんとなく〟の魔法と〝答え〟 それと、『魔法少女さんだいめっ☆』】

 

 1巻から引き続き大切な、重要だと思われる魔法のような言葉

                               〝なんとく〟

 2巻でも何回か出てきます。説明が、言葉にすることが難しい〝きもち〟の部分。

 水無月結衣が気づいた〝なんとなく〟ではなく、ここでは早乙女カレンの〝なんとなく〟について述べたいと思います。

 呪縛と言えば聞こえが悪く少し違うかもしれないが…… マリアとの約束という名の解けない魔法をかけられていたシンデレラ━━カレン。

 

 

―――

 シンデレラのガラスの靴ってありますよね。魔法が解けてもガラスの靴だけは消えない。他のものは変えられたものだけど。それだけは消えない。ゼロから、ここからが始まりだから。

―――

 自分を見失って、自分の居場所が分からなくなっていたカレン、『ギュオオオオオオオン!』というありのままの自分で居させてくれるあたたかい場所(2巻で出てきたが、カレンのバックホーンが見えた1巻のメロンブックスSSにも出てきていて、それを思い出しました)はずっとそこにあったのだと改めて気づいたカレン。その対比というか違いというか……

 そんな葛藤をだらだら書き続けるのではなく、読者に任せてある所に。

 前作『 魔法少女さんだいめっ☆』から引き継がれる〝好き〟の魔法が彼女を一歩前進させてくれたことに、ただただ息を漏らすことしかできませんでした。

 

 

 

【彼女と彼女】

 この見出しの人物は誰か。

 水無月結衣早乙女カレンです。

 

彼女と彼女は違う。
生い立ちも性格も趣味も全然違う。
だけど、好きになる人は同じだった。

 

 生い立ちは違うけれど、今もお嬢様の水無月結衣と元令嬢の早乙女カレン。この対比が2巻を盛り上げていたことは間違いなく、オビの〝春雷〟という言葉も活きているように思います。

 

 

 

【まとめに】

  語りすぎると蛇足になる気がするのでここまでにします。

 『結婚が前提のラブコメ 2』は、〝お仕事もの〟要素と〝ラブコメ〟要素のバランスが保たれていて、何よりも作者、編集者、イラストレーターの三位一体パワーが顕著にあらわれている素晴らしい物語でした。

 

 正直な話、読み終わって最高とか面白い!っていうそんな言葉はすぐに出てきませんでした。

 たぶんここに書いたものすべてが一瞬で駆け巡ったのだと思います。

 ここからどう展開していくのか…… バランスを保ったまま進むのか? 色んな気持ちがありますがこれからが楽しみです!!

 

あの轟く雷は春を告げるけれど、

どうか最後にはみんな━━

笑っていられますように。

 

【了】