『千歳くんはラムネ瓶のなか』━━お願い、笑って━━
ねぇ、気づいてる?あなたもなんだよ。
だからお願い、笑って。
千歳くんはラムネ瓶のなか 5 - ライトノベル(ラノベ) 裕夢/raemz(ガガガ文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -
裕夢先生をぶん殴る? 違うだろ。今はもう自分で自分を殴りたい。
嫌ならせめて嫌そうな顔ぐらいしたら? そしたら誰かが気づけるかもしれないし、愛想笑いは癖になるぞ(5巻 p.148)
千歳くんがどこか困ったような笑みを浮かべ続ける。(5巻 p.144)
優空はパンを抱きかかえるようにしてくしゃっと笑った。(4巻 p45)
「━━この夏、一歩踏み出してみるって決めたの」
そういってくしゃって笑う。(p.38)
「━━それはとても、素敵な読み方だね」
明日姉がくしゃっと笑った。(p.52)
陽がけらけら笑う。(p.93)
七瀬がやるせないほど丁寧に笑った。(p.107)
SS小冊子
優空が苦笑いを浮かべる。(p.15)
恥ずかしそうに頬をかくのを見て、思わず俺はぷっと吹き出した。
優空は少しだけぶすっとしてから、こらえきれないといった様子でいっしょに笑いはじめる。(p.16)
などなど。
『窓の外』(コミックス1巻収録/優空)
慌てて隣を見ると、夕湖がぷっくりと頬を膨らませている。(p.19)
春の夜みたいに曖昧なため息をついてから━━(p.20)
きっとこの先も、こんなふうに口角の端を上げて誤魔化し続けるんだろう。(p.24)
『家の外』(コミックス2巻収録/夕湖)
"窓"という内面的なものを見ている内田優空、"家"という外面的なものを見ている柊夕湖。
あと五センチの距離で寄り添うふたつのシルエットには、温かい虹がかかっていた。(p.30)
『雨、あめ、降れ、ふれ』(メロンブックスノベル祭り/優空)
虹について調べてた。ブロッケン現象とか不吉だとか。幸福を呼ぶとか。でも違う。笑顔だろ。
「キュート系の子がセクシーだったり、セクシー系の子がキュートだったり、みたいなギャップはぐっとくる」(p.57)
コミックスでも、特典でもいいあの夢の水着を見てほしい。この文じゃなく色についても。優空は今回大胆だ。色も夕湖寄り? 5巻の浴衣も。優空は着てない。夕湖は着てる。編集者の岩浅さんのブログに書かれていた「あえての2回目夕湖」という言葉。そして、内田優空の色であるピンク系がこの巻のロゴ色である意味。
アイスのカフェラテを━━(省略)夕湖
俺はアイスのブラックコーヒーを━━(朔)
(p.21)『家の外』(コミックス2巻収録/夕湖)
「スターバックスラテのエスプレッソショット追加」(優空)(p.42)
「ほうじ茶の……ティーラテ。どうして?」(朔) (p.43)
普段は優空と朔飲み物逆。
これでもかと書かれていた似ているようで対比的なふたり。
精一杯、ありったけで、くしゃっと笑ってみせた。(5巻 p.417)
だれかさんと同じ
口元だけで必死に笑おうとしながら、ぐちゃぐちゃに顔を歪ませ泣いていた。(p.418)
サイン。笑えなかった。
どこまでも、どこまでもやさしく微笑んだ。(p.423)
やさしい。
にっと、笑ってみせた。(p.424)
ちゃんと笑えているだろうか。気づいたよ。サイン。
夕暮れを背負いながら、優空が黄色いたんぽぽみたいに微笑んでいた。(p.427)
泣いてるのか笑っているのかわからない曖昧な夕暮れの湖みたいな夕陽が沈む。
内田優空が誕生日プレゼントで送った包にプリントされていたのは向日葵。柊夕湖のイメージも向日葵。
その花言葉は━━━
「憧れ」「あなただけを見つめる」
お願い。だれか。
だれかがだれかの窓を割ったように、彼女のこともどうか。
ねえ、みんな。笑って?