『結婚が前提のラブコメ 4』感想。そして、どうか皆この作品を読んでほしい。
今回はこちら、
『結婚が前提のラブコメ』の4巻です!
短いですが思ったこと届け。
最初に
まずなんと言っても読みやすい。これは単に内容が薄いとか、言葉が軽いとかそういうわけではない。たしかに軽い部分も見られるかもしれないが〝分かりやすさ〟を重視していることが伝わってくる。無駄を省いた言葉で紡ぐ。並大抵のことではない。けれど、その作者の挑戦を見届けたい。
感想など
1巻から描かれる芯の部分をこの巻で再認識することができた。〝変化〟にもいろんな形がある。言葉にされると「はっ!」と気付かされることが多かった。それは私たち読者にも無縁ではないこと。さまざまな個性あふれる登場人物たちの向かう方向性、向き合い方が実に面白い。この作品の行末を見届けたいとあらためて思ってしまった。
皆さんもどうか読んでほしい。後悔はさせない。
【最新刊】結婚が前提のラブコメ 4 - ライトノベル(ラノベ) 栗ノ原草介/吉田ばな(ガガガ文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -
『千歳くんはラムネ瓶のなか』と向き合ってみた。━━散りばめられたワードとフレーズ━━
ありったけ。
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まず初めに、「笑顔」がめちゃくちゃ出てきます。「にっ」「くしゃっと」このふたつはめちゃくちゃ大事。それと「隣」
『千歳くんはラムネ瓶のなか』━━お願い、笑って━━ - みうみんのラノベ(深読み)屋さん
リンク先の私のブログも読んでほしい。
明日姉からいこうか。
「━━だから少女たちは、いつまでも終わらせたくない時間をきれいな三角形に重ねた」(5巻 p.51)
この言葉をどうか忘れないでほしい。
明日姉がくしゃっと笑った。(p.52)
高校で出会ったふたりの過ごしてきた時間は、いつだってこんなふうだった。
茶化そうとした朔、でもやめた。そしてちゃんと心からの笑顔の明日姉。高校といういまを見ている朔。
ただ話をしているだけでいい。
そう思える初恋だった。(p.52)
ただそれだけ。
「━━たとえば初恋のあとに訪れる二度目の恋みたいに」(p.58)
君の顔は見られなかった。
「たとえば毎年訪れるインフルエンザの注射みたいに?」
ぷいっとわざとらしくそっぽを向く。
目をそらしながら。でも明日姉は気づいている。悟っている。
私がこんなふうに、まるで小説みたいに話せる場所は、君の隣なんだよ?(p.59)
明日姉は隣と、隣がいいと思っている。
でも、千歳朔の言葉にはそれがない。
どこまでも、どこまでも交わらない平行線。
呼び方も変わる。明日姉が昔みたいにするから。朔も付き合う。
俺はなんだか君の顔を真っ直ぐに見ていることが苦しくて、ぺりぺりと包みを剥がし真っ白なおむすびにかぶりつく。
わけもなく泣き出してしまいそうな声で、君(明日姉)が言う。
「おむすびも、三角形だね」(p.71)
君(過去の明日姉)が見てられなくて目をそらす。そして三角形を崩す。ふたりで。もう戻らない。
最初で最後の、お隣さんでいよう。
どうせすぐに、席替えのくじが回ってきてしまうんだから。(p.292)
きっとって希望を抱いてたはずなのに、どうせって諦めた。
"名前'で呼び合うふたり。(本当にそんな関係なのは夕湖とだけ。優空は"くん"をつけている)
千歳朔の隣には西野明日風はいない。
とびきりの笑みがにっと浮かんだ。
「━━来てよかったっ」(p.334)
いまの俺にそんな資格はないから、都合よくあの頃に戻ったふりをして━━。(p.335)
明日風はわかっている。でも……。
朔はいまを見ている。
どこまでも、どこまでも……。
水着、浴衣も穢れてほしくない感がすごい。
次、陽
これからも隣にいてくれるつもりなんだな、陽は。(p.93)
どこまでもいっしょに走り続けていたい。
そう思える相棒だから。(p.94)
陽はにっと笑った。
眩しさに目をつむってしまわないように、精一杯にっと笑い返す。(p.308)
心からの笑顔ではない。朔は先に一歩踏み出す。
隣じゃない。大切だから。朔が動いた。でも、陽が動けばなにかが変わるかもしれない。
悠月
七瀬がやるせないほど丁寧に笑った。
「ごめんね、そんな顔させて」(p.107)
どちらもちゃんと心から笑えていない。悠月は気づいている。似てるから。
やっぱり似ている俺たちは、こうやって互いの心に片足だけ踏み込んだままで━━(p.107)
少しだけ。ちゃんと隣ではない。
海人
「わかった! じつは好きな子いるとか!?」
「いや」
海人がにっと気持ちよく笑った。(p.189)
好きな人に言われたらそりゃうまく笑えない。
「━━大切な友達だからこそ、無理やりふたりに割り込んででも勝負すっかな」(p.191)
にかっとしたその笑顔は、なんだかとても眩しかった。
私も見習うように笑う。
夕湖へ贈る言葉。夕湖は海人を見習う。
優空は朔を真似る。
ふたりに割り込むというのは、夕湖的に朔と優空だろう。
「なんだっけ?」(p.192)
覚えてない。千歳朔も夕湖のこと覚えてない。
「いつかあいつの想いみたいなのと、正面から向き合ってほしいんだよ」(p.312)
「わかったよ。男の約束だ━━」(p.314)
笑顔で言った夕湖の想いにちゃんと朔は応えている。
和希
「━━俺はその子が他の男に惚れるところを見て惚れたんだ」
めったに見せない表情でふあっと笑った。(p.260)
「━━本気で惚れても惚れてはもらえないだろうからこのへんで、ってね」(p.261)
湯けむりの奥でスカした笑みをこちらに向けた。
相手は悠月。いつもどこか取り繕っていたり、線を引いている和希。
夕湖
━━大切な友達、ばっかりだ。(p.183)
夕湖もわかっている。
「━━朔には、いつだって私が大好きになった朔のまんまでいてほしいな」(p.128)
SSとかでもわかるとおり。一年生のときも含めて朔は愛想笑いとか誤魔化そうとする、道化を演じたりする、そんな朔を好きになったから。
窓から射し込む夕陽が、黒板にきれいな三角形を描いている。(p.412)
夕湖の告白からのこれ。ずっと続いてほしい時間。終わらせたくない壊したくない。
いつだって、そんなふうに俺の背中を押すんだな。(p.416)
夕湖の願いと海人との約束。だから、朔はそれに応える。隣にいるのが夕湖だと言えばこのずっと続いてほしい楽しい時間が終わってしまうから。
「俺の心のなかには、他の女の子がいる」(p.417)
精一杯、ありったけで、くしゃっと笑ってみせた。
朔は隣とは言ってない。でも嘘偽りなく、自分のこころを。
心のなかには内田優空がいるから。(たぶん)
優空
「しくしく」
大げさに泣き真似すると、優空は俺の腰から右手を離し、背中をとんとんと叩いた。
「大丈夫だいしょうぶ━━」
「あ、それ適当にはぐらかすときのやつや」(1巻 、p.101)
沈みかけた夕陽が━━(途中省略)━━作りものみたいに美しいグラデーションを描く。
長く伸びた影を引き連れて寄り添う俺たちのシルエットは━━。
それは今日の夕焼け以上に作りものくさくて、とても悪くない。
このまま優空とふたりで、どこまでも走っていけそうだった。(1巻 p.102)
気づきました? そう。5巻にも似たようなのがあるんです。
「私を見つけてくれた朔くんの心のなかにいるのが━━」(5巻 p.428)
「だけど、もしも、あなたがひとりぼっちでうつむいているのなら。あのときの私みたいに、声を押し殺して震えているのなら。……月の見えない夜に、迷い込んでいるのなら。」(p.429)
本当にあなたはそうなの? 向き合ってみてって問いかけてるようだ。
月の見えない夜=朔(新月)? 青空の中に浮かぶ月?
「━━そのときは、誰よりも朔くんの隣にいるから」
━━優空が、俺の前に立ち
「大丈夫だいしょうぶ」(p.429)
あれ? いまじゃない? いまは夕陽が沈もうとしているんだけど。隣じゃなくて前?
あれ? これ、適当にはぐらかすときのやつや。でも背中とんとんしてないな……口癖か?
朔に言ってるようで自分に言い聞かせてるようにも取れる。
「ちょっと練習するけど、ごめんね?」(p.430)
なんだ。本番じゃないのか。
遠く沈みかけている夕陽が━━(途中省略)━━あの日の花火のように。(p.365)
そうしてまるで最後の花火みたいに、あの大きな錦冠菊みたいに(p.411)
1巻の優空はつくりもの。5巻の夕湖は本物。
コミックスSSを読み返すとヤバい。
『窓の外』『家の外』
「━━とびきり冴えたシチュエーションで」(4巻 p.51)
冴えたシチュエーションか? 違う。まだそのときじゃない。優空が隣にいるときじゃない。
そんな日(本番)が来るんだろうか……。
まるで小さなこどもみたいに、いつまでも泣きじゃくっていた。(5巻 p.430)
泣きたかった。戻りたかった、あの頃へ。でもいまを見てたから。だからいまだけはあの頃のように。
夕暮れを背負いながら、優空が黄色いたんぽぽみたいに微笑んでいた。(p.427)
たんぽぽの花言葉は「愛の神託」「神託」「真心の愛」「別離」。
だれかかが託した想いを綿毛のように誰かに届ける。
太陽に向かって伸びる。
思い返すと優空のたとえでアネモネっても出てきました。秋に結実したタネは、やはり風によって運ばれることで繁殖してきたそう。(たんほぽも思い浮かぶね)
全般的な花言葉の意味は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見放された」「見捨てられた」
赤いアネモネは「君を愛す」
ギリシャ神話と関係があるようです。調べてみてくださいね。
優空は朔の真似をする。だからたぶん……。
「千歳くんがそばにいてくれると━━」
「いられるだけはいますよ、友達だから」(p.121)
そばに友達としている。隣ではなく。隣としてはなにでいる?
【おしまい】
『千歳くんはラムネ瓶のなか』━━お願い、笑って━━
ねぇ、気づいてる?あなたもなんだよ。
だからお願い、笑って。
千歳くんはラムネ瓶のなか 5 - ライトノベル(ラノベ) 裕夢/raemz(ガガガ文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -
裕夢先生をぶん殴る? 違うだろ。今はもう自分で自分を殴りたい。
嫌ならせめて嫌そうな顔ぐらいしたら? そしたら誰かが気づけるかもしれないし、愛想笑いは癖になるぞ(5巻 p.148)
千歳くんがどこか困ったような笑みを浮かべ続ける。(5巻 p.144)
優空はパンを抱きかかえるようにしてくしゃっと笑った。(4巻 p45)
「━━この夏、一歩踏み出してみるって決めたの」
そういってくしゃって笑う。(p.38)
「━━それはとても、素敵な読み方だね」
明日姉がくしゃっと笑った。(p.52)
陽がけらけら笑う。(p.93)
七瀬がやるせないほど丁寧に笑った。(p.107)
SS小冊子
優空が苦笑いを浮かべる。(p.15)
恥ずかしそうに頬をかくのを見て、思わず俺はぷっと吹き出した。
優空は少しだけぶすっとしてから、こらえきれないといった様子でいっしょに笑いはじめる。(p.16)
などなど。
『窓の外』(コミックス1巻収録/優空)
慌てて隣を見ると、夕湖がぷっくりと頬を膨らませている。(p.19)
春の夜みたいに曖昧なため息をついてから━━(p.20)
きっとこの先も、こんなふうに口角の端を上げて誤魔化し続けるんだろう。(p.24)
『家の外』(コミックス2巻収録/夕湖)
"窓"という内面的なものを見ている内田優空、"家"という外面的なものを見ている柊夕湖。
あと五センチの距離で寄り添うふたつのシルエットには、温かい虹がかかっていた。(p.30)
『雨、あめ、降れ、ふれ』(メロンブックスノベル祭り/優空)
虹について調べてた。ブロッケン現象とか不吉だとか。幸福を呼ぶとか。でも違う。笑顔だろ。
「キュート系の子がセクシーだったり、セクシー系の子がキュートだったり、みたいなギャップはぐっとくる」(p.57)
コミックスでも、特典でもいいあの夢の水着を見てほしい。この文じゃなく色についても。優空は今回大胆だ。色も夕湖寄り? 5巻の浴衣も。優空は着てない。夕湖は着てる。編集者の岩浅さんのブログに書かれていた「あえての2回目夕湖」という言葉。そして、内田優空の色であるピンク系がこの巻のロゴ色である意味。
アイスのカフェラテを━━(省略)夕湖
俺はアイスのブラックコーヒーを━━(朔)
(p.21)『家の外』(コミックス2巻収録/夕湖)
「スターバックスラテのエスプレッソショット追加」(優空)(p.42)
「ほうじ茶の……ティーラテ。どうして?」(朔) (p.43)
普段は優空と朔飲み物逆。
これでもかと書かれていた似ているようで対比的なふたり。
精一杯、ありったけで、くしゃっと笑ってみせた。(5巻 p.417)
だれかさんと同じ
口元だけで必死に笑おうとしながら、ぐちゃぐちゃに顔を歪ませ泣いていた。(p.418)
サイン。笑えなかった。
どこまでも、どこまでもやさしく微笑んだ。(p.423)
やさしい。
にっと、笑ってみせた。(p.424)
ちゃんと笑えているだろうか。気づいたよ。サイン。
夕暮れを背負いながら、優空が黄色いたんぽぽみたいに微笑んでいた。(p.427)
泣いてるのか笑っているのかわからない曖昧な夕暮れの湖みたいな夕陽が沈む。
内田優空が誕生日プレゼントで送った包にプリントされていたのは向日葵。柊夕湖のイメージも向日葵。
その花言葉は━━━
「憧れ」「あなただけを見つめる」
お願い。だれか。
だれかがだれかの窓を割ったように、彼女のこともどうか。
ねえ、みんな。笑って?
『千歳くんはラムネ瓶のなか 5 』通常版・特装版についての感想と考察的ななにか。━━あのね、ママ聞いてよ━━
きらきらひかるお空の星よ
今回はこちら、
千歳くんはラムネ瓶のなか 5 - ライトノベル(ラノベ) 裕夢/raemz(ガガガ文庫):電子書籍試し読み無料 - BOOK☆WALKER -
『千歳くんはラムネ瓶のなか』の5巻についてです!!
ついに!! この日が来ました!! 『このライトノベルがすごい!』一位という成績を残してから数ヶ月……4巻から数えるとそれ以上に、どれだけこの日を待ち望んだことか。
よし! いらない話はしない!さっそく!
※ネタバレあり、妄想ありなので苦手な方はここでさよならです。
わかってた。わかってたけど、実際こうなると……。
最初に言っておくと、もう心のなかぐちゃぐちゃです。なんというか面白くなかったといえば嘘になるけども3巻とも4巻とも2巻ともなにかが違って。
裕夢先生に途中まで「ありがとう」を伝えようと思ったのに「クソヤロー」が芽生えました。くっそ。あの人ゼッタイユルサナイ。鬼!悪魔!魔王!
【SS小冊子で震えろ】
はい! 最初はこれ!
もうね。メロブ祭りとか2巻の夕湖とかゲットできてなくて嘆いてたんですけども。またひとつ強くなれたね。
メロブ祭りの内田優空の読みました? やばくね? やっと読めた。言いたいこととすれば、「伏線?」ってのとアレをああやって表現しててあのときのツイートの意味がわかりました。中身は伏せます。読んだ人には通じてると思うので。
(『あめふり』っていう童謡を思い出した私はダメ?)
と、それ以外に気になるところが。
『遠くに続く影法師』、『多分、友達の好きな人』、『雨、あめ、降れ、ふれ』
この3つ。『影』が出てきます。(他にもあれば教えて下さい)でも……。西野明日風の影法師は遠ざかっていき、青海陽の影法師の距離は曖昧でじゃあ誰が……寄り添ってくれてるのか。でもあとその5センチが……。
はい! へんなことでした!!
【西野明日風】
ラジオ体操で泣いたね。泣いた。
『レオン』、『スタンド・バイ・ミー』、『黒と茶の幻想』、『夜のピクニック』と出てきます。
なんというか噛み合ってるようで噛み合ってない? というか、なんか片方はいまを見てる気がして、片方はあのときを見てる気がするんだよなぁ。
あとは『カリメロ』。仲間はずれ。知らないは怖い。相手を見るということ。
そして西野明日風との話で印象的なのは"三角形"ですよね。
【青海陽】
メロブ祭りのSS読むとヤバいですね☆
言った。でもけじめをつけなきゃいけない。いつかそのときが……。
【七瀬悠月】
ごめん。もう見てられません。
『かぐや姫』
かぐや姫の帝の求婚を断ったときの言葉。
「(帝の思いを受けなかったのは)月の世界で犯した罪が身にしみついていたから」
かぐや姫が犯した罪への贖罪、つまり不倫という同じ罪を再び犯すようなことはしたくないと考えたからかもといわれていたり。
【浴衣】
夕湖から
マリーゴールド結び
「悲しみ」「変らぬ愛」。
「椿(ツバキ)」の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「気取らない優美さ」。
赤い花の椿(ツバキ)の花言葉は「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」。
白い花の椿(ツバキ)の花言葉は「完全なる美しさ」「至上の愛らしさ」。
ピンクの花の椿(ツバキ)の花言葉は「控えめな美」「控えめな愛」。
梅の香りとも出てきます。
梅(ウメ)全般の花言葉は「高潔」「忠実」「忍耐」。
帯の表
露草の花言葉は「なつかしい関係」
帯の裏
勿忘草の花言葉は「私を忘れないで」「真実の友情」
青い勿忘草の花言葉は、「真実の愛」
露草が青くて勿忘草は薄い。ふたつの花が寄り添っている。ふたつは似ているようで、少し違う。どちらかがどちらかで、どちらかがどちらか〜なんて。思ったり。
悠月
金魚。イラストでは赤以外も描かれているのに地の文では赤とだけ。わざと?赤と黒。千歳と朔。ふたりで見た打ち上げ花火。千歳朔の浴衣は黒地。黒はそこにある。
………あの日よりも、七瀬は美しく見えた(p.213)
あの日は二度と戻らない。
陽
朝顔ですね。
黄色の朝顔は……夢幻花と呼ばれている。
ため息がこぼれそうだ。でも、
基礎生物学研究所の星野敦助教らは、鹿児島大学、サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社と共同で、キンギョソウ由来の遺伝子をアサガオで機能させることにより、幻といわれる「黄色いアサガオ」を咲かせることに成功しました。
江戸の時代の園芸家の『夢』
平成の時代の科学者の『夢』
平成の時代のメーカーの『夢』
夢は研究段階だけどいつか必ず!!
プレスリリース - 「幻のアサガオ」といわれる黄色いアサガオを再現
明日風
百合(ユリ)の代表的な花言葉には、「純潔」「威厳」「無垢」
白い百合の花言葉は一般的に「純潔」「威厳」「甘美」
なんか穢れてほしくないな。
優空
んんんんん????? 裕夢?? ってなりましたね。でも優空ちゃんらしいなと。
「じゃあ、今度またちゃんと浴衣着てお祭り行こう? それでいい?」(p.203)
うわぁ~~~!!!
これはヤバイヤバイヤバイ。ってなりましたね。
【キス】
間接キス、左頬に触れ、抱きしめて、喉仏あたりに重ねた小さな唇。もう最後は本物しかないだろう??知らんけど。
今回できませんでしたね。
【『同じドアをくぐれたら』と『Glints』、『オワリはじまり』】
柊夕湖のお気に入りの音楽『Glints(さとうもか)』
もう無理です。ヤバい。
『同じドアをくぐれたら(BUMP OF CHICKEN)』
「同じドアをくぐれたら」の歌詞の意味 覚悟を求めた天秤の唄 | The Chickens
リンク先の見たりしてうわぁってなりました。
『オワリはじまり(かりゆし58)』
またねのつかないばいばい。もう曲たちが私達を離さない。
【ひと】
夕湖は友達
悠月は女の子
明日風は初恋
陽は相棒
じゃあ……彼女は?
なぁ……千歳朔、お前の心のなかには誰がいるんだ?
最後にイチバン話したいこと書く前に!!
前にツイートしたやつ!! もおおおおお!!!! 他にも水着とかも解釈一致だったし! 普段黒タイツでアレはだめ!! もう見たい景色めちゃくちゃ見せてくれた!!
でも、裕夢ゼッタイユルサナイ一発殴る()
よし! イチバン書きたかったやつ!!これ!!
【きらきら星】
あぁ……。もう夫婦だ。家族だ。愛だ。最初に登場した女の子。恋愛とかけ離れてしまった感がある大和撫子。嫁。たんぽぽ。
( ゚д゚)ハッ!
話を戻そう。
なぜこれを最後に持ってきたか。好きだから?うんすき! 大好き! でも違う。
"ナイショ話"
これですよ。
夜に限らずナイショ話的な感じのはめちゃくちゃありました。でも彼女は??そうでもない?? ちがう!
原曲はフランス語。その後イギリスに渡り英語の歌詞が付き、それを元に日本語に訳されたので、フランス語からは程遠い意味となっています。
歌詞は子供向けに作られたパロディーで、18世紀の原曲はイタリアオペラで歌われました。La Confidence(内緒話)というタイトルの詩でした。そう! 実は恋愛のうた。 ナイショ話!! ヤバない? マジ? こじつけちゃだめ? きゅいってされる??
「きらきら星」は恋の歌だった?モーツァルト「きらきら星変奏曲」ポイントレッスン! | 心と体をラクにするピアノ演奏法
リンク先をぜひ読んでいただきたい!!
いろいろ諸説はあるでしょうが結びつけちゃだめ?裕夢先生?
はい! 他にもプロローグしかない! とか海人、和希とか健太の恋とか、伏線回収で手の震えが止まらなくなったり、夕湖の姿が千歳朔と重なったり、優空にも千歳朔みを感じたりしましたがそこは他の人に任せる!! 出てきた作品、音楽知らなすぎて無知って怖いなとか少し悲しくなったり。書きたいことだけ書いた!! もしかしたらまた調べたり読み返して書くかもしれません!!
お読みいただきありがとうございました!
裕夢6巻はよ
『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)』感想
男女間に友情なんて成り立つと思う?
そんな言葉を聞くことが日々増えていく年頃に。そんな今だからこそ響いたんだろうな。ビビッときたんだろうな。
今回はこちら、
『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)』です!
いやー、発売するずっと前、書影出る前から期待していた今作。いまさら読みましたよ。
先に言うと、最近読んだものの中では頭ひとつは余裕で超えるくらいに面白かったということ、それと「ちょっと違う」なって。
花言葉大好き人間なので章題とか文で回収するところはめちゃくちゃ好きだし、男女の友情とか恋とかの話もものすごく好みだったし面白かった。でも、『両片想い』がこの話と合ってるのか?ってなりました。
なんというか、よさが出しきれてないというか……濁ったというか。他のヒロイン浮いてるというか、いる?? ってなりました。キャラは好きなんですけどね。三角関係とかシリアスになるのがやっぱりいいんだけどなぁ……
とか思いましたが2巻は買います。イラストもめちゃくちゃいいし。とあるキャラが見てらんない! ってなったけど。買いますよ。読みます。
皆さんもぜひ御一読くださいませ。
『母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ』感想
今回はこちら、
『母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ』です!
先に言うと読むのがツライ人はツライそんな印象。
まぁタイトル通りです……が、しっかりその中に彼ら彼女らなりの定義が芯の部分があってそこが垣間見れたのは良かったです。p.276は「へぇ……なるほど」ってなりましたし、家族とか作家(創作)、持つ者、持たざる者の部分でいいなって思った部分や会話劇で笑ってしまった部分もあったのは事実。でも、なんか中途半端感が否めない。
イラストもいいので2巻からかなと。もうちょい深掘ってくれること祈って。
またお会いしましょう!
『千歳くんはラムネ瓶のなか 4』再読─夢と漢字とひらがなと。〜BGMを添えて〜─
あの夏は今、終わったから。
この夏がいま、始まる。
だって、きっと雨は止んだから。
今回はこちら、
『千歳くんはラムネ瓶のなか』の4巻再読したので少しだけ語らせてください!!
【雨と音楽】
さて、この作品で"雨"が印象的な巻というと2巻と3巻が挙げられると思いますが、私は4巻まで雨は降っていたと思います。人それぞれで解釈のしかたは違うと思いますので「ふーん」って流していただければ幸いです。なぜそう思うのかだけ先に述べますと私は雨=涙なのでは? と睨んでいるからです。(3巻でそんな描写があるのは内緒)
1巻で山崎健太、2巻で七瀬悠月、3巻で西野明日風、4巻で青海陽、千歳朔が涙を流しています。
それでですね。2巻、3巻再読のときの自分何してんの?って思ったことがありまして……。
『Singing in The Rain』と『Rainy Days And Mondays』というふたつの曲が千歳朔の家のチボリから流れます。この作品は音楽で間接的に、でも芯を捉えて離さないなにかを託していると思っています。そのときの登場人物の心情がそこにある気がします。上を見上げたらそこにある空みたいな??
と、脱線はよしてですね。このときにいたのは千歳朔と七瀬悠月のふたり。どちらかがどちらかの曲にあてはまるのでは? と考えます。前者が七瀬悠月で、後者が千歳朔なのではないでしょうか。七瀬悠月が雨に打たれていたとき千歳朔は「風邪ひいちまう」と傘で雨を遮ります。この時点ではどちらも雨に否定的というか、いい感じを持っていません。でも、エピローグで七瀬悠月はこう言います。
だから本当は、とめられない気持ちをさっさと恋って名前で呼んであげればいい。(P.359)
だからなんだと、『Rainy Days And Mondays』という曲にこんな歌詞があります。(訳し方はいろいろだと思いますがピンときたのがこれ!!)
前にも、こんな感情が私の中で
浮かんだり消えたりしたわ
だからといって
それを口に出して言う必要もない
だって 何も言わなくても
わかるでしょう(『Rainy Days And Mondays』)
カーペンターズを読む 『Rainy Days And Mondays』 - 向かうところ敵なし
2巻のプロローグが思い出されませんか? ないか?
悠月の心のなかには太陽があり、千歳朔はまだ雨に打たれ続けています。
とか言ったけど4巻のあとに3巻ペラペラ読み返して見つけてしまった……。
たとえば土砂降りのなかで傘を閉じて素敵に唄い出す紳士のような〜(3巻 P.12〜13)
雨の日は嫌いだ、と昔は思っていた。
そうでもないな、といまでは思う。(P.12)
って出てくるんですよね。まさしく前者は『Singing in The Rain』ですやん。
でも!! P.39のビニール越しの空を見上げながらのところはニュアンスが少し違うように思います。千歳朔にはまだなにかがあるんだと。完全にではないけど〜ってかんじですかね。たぶん。
4巻では千歳朔の心のなかの太陽が、そこにあった太陽がメラメラと再び輝き始めましたね。半分だけど……。いつか空一面に輝くきれいな太陽の笑顔がみれるのでしょうか。
そういえば、雨が似合う女子がいたよなぁ(SS読めてない雑魚)
【夢と音楽】
はい! 次行きます!
『千歳くんはラムネ瓶のなか』を語る上でというか、この作品これ大事にしてんじゃないの?っていう言葉のひとつが"夢"です。それを語る上で前に明日風のSSについて書いたやつあるのでそれも読んでいただけると少しは伝わるのかなと。下に載せときます。
『千歳くんはラムネ瓶のなか』と古いJ-POP、その他の考察 - みうみんのラノベ(深読み)屋さん
夢と言っても"眠ってるときに見るもの"とか"将来実現させたいと思っていること"とか"現実からはなれた空想や楽しい考え"などがあると思いますが、めちゃくちゃ大事なのは後者ふたつですかね。
「夢はもう見ないのかい?」(2巻 『拝啓、少年よ』Hump Back)
「夢からさめてしまわぬように」(3巻 『夢からさめてしまわぬように』Syrup 16g)
「夢から覚めたら忘れないように」
「夢から覚めても」
4巻 『エバーグリーン』サイダーガール)
この歌詞たちは各巻のメロンブックス特典である秘密のヒロインブックカバーに書かれてあるものです。偶然なのでしょうか? SSでも夢について書かれてあるものもあります。
あの夏を終わらせた千歳朔は、何を追いかけて、どこに向かって進むのでしょうか?
【"今"と"いま"】
これすごく気になってたんです。めちゃくちゃでてくるんですもん! なんで漢字とひらがな使い分けてんの? って。たぶん……いや! 絶対これわざとです!(言い切ったが内心汗ヤバい)
過去と現在って感じでどこか距離を置こうと言う表れなのか、区切りというか踏ん切りというか。
あのとき、今をあがけなかった自分に向けた言葉。
今をあがき続けているあいつにおしえてもらったこと。(4巻 P.346)
この4巻の文を読むとわかりやすいかもしれません。今から目を逸らした千歳朔、反対に劣等感を抱きつつも今をあがき続けている青海陽。
【"まぶしい"と"眩しい"】
このふたつも使い分けされている気がします。
「俺もあいつがうらやましくて、まぶしくて、痛いよ」(2巻 P.287)
2巻に柊夕湖について話す千歳朔のこの言葉は、ひらがなです。でも、4巻の最後の青海陽への言葉は漢字なんです。ここもニュアンスが違うのかなと。
青海陽のほうがやさしい感じがします。
【織姫と彦星】
4巻で七夕の描写がありましたね。
「私たちは織姫と彦星って柄じゃないね」(P.210)
と青海陽は言います。
ちなみに、織姫と彦星はそれぞれ、
*織姫:裁縫をつかさどる星(こと座のベガ)
*彦星:農業をつかさどる星(わし座のアルタイル)
の象徴とされています。
話はこんな感じです。
天の神様の娘「織姫」はそれはそれは美しいはたを織っていました。神様はそんな娘が自慢でしたが、毎日化粧もせず、身なりに気を遣わずに働き続ける様子を不憫に思い、娘に見合う婿を探すことにしました。
すると、ひたすら牛の世話に励む勤勉な若者「彦星」に出会います。この真面目な若者こそ、娘を幸せにしてくれると思い、その若者を娘の結婚相手に決めました。
そんな二人は毎日仲睦まじく暮らしましたが、これまでとは一転して遊んで暮らすようになり、仕事を全くしなかったため、天の服は不足し、牛達はやせ細っていきました。神様が働くように言うも、返事だけでちっとも働こうとしません。
ついに怒った天の神様は、織姫を西に、彦星を東に、天の川で隔てて引き離し、二人はお互いの姿を見ることも出来ないようになりました。
それから二人は悲しみにくれ、働こうともしなかったため、余計に牛は病気になったり、天の服はボロボロになっていくばかりです。
これに困った天の神様は、毎日真面目に働くなら7月7日だけは会わせてやると約束をすると、二人はまじめに働くようになりました。
こうして毎年7月7日の夜は織姫と彦星はデートをするようになりました。
7月7日に降る雨のことを『催涙雨』と言い、
これには様々な捉え方があります。
その中でも最も一般的なのが、
「年に一回の機会に会うことが出来ずに悲しむ織姫と彦星が流す涙」
というものです。
この悲しいエピソードとは別に、
「雨の氾濫で天の川を渡ることが出来ないが、“かささぎ”の群れが橋となり、二人は会うことが出来た」
という話も有名です。
よく分かる七夕伝説|織姫と彦星の物語・催涙雨について – 明日のネタ帳
織姫と彦星は結ばれます。でも、青海陽と千歳朔はそんな柄じゃないねと言います……ああ!!もう!!
と、興奮してしまいまひたてへ。
夏の大三角とも4巻で出てきますがはくちょう座のデネブだけなんか仲間はずれ感がありませんか? そこで気になり調べたらデネブが"かささぎ"だといわれていることがわかりました。(恋のキューピッド的な)しかも、一番明るいのはベガですが……
ベガは確かに情熱的で美しい。でもそれは見せかけの輝き。本当に美しいのは、情熱を内に秘めて光るデネブのほうかも。
どんなことでも、一面だけ見ていては、真実は決してわからない。多角的に深く見なくちゃいけないってことなんだ。
夏の大三角 その2 ~アルタイルとデネブ~:達人に訊け!:中日新聞Web
そう。地球からみたみかけの明るさであってデネブが一番かもしれない。
「ありがとう、私に気づいてくれて」4巻(P.45)
しかもこれはこじつけ妄想なのですが、今の暦でいくと7月7日ですが、
もともと七夕の行事は、7月7日といっても現在使われている暦ではなく、旧暦など太陰太陽暦の7月7日に行われていました。これは、月齢およそ6の月が南西の空に輝く夏の夜になります。現在の暦での7月7日は、たいてい梅雨のさなかで、なかなか星も見られません。そこで国立天文台では2001年から「伝統的七夕」の日を広く報じていくことにしました。
太陰太陽暦は、明治6年に現在の暦が採用されるよりも前の暦で、現在は公には使われていません。このため、伝統的七夕の日は、太陰太陽暦による7月7日に近い日として、以下のように定義します。
二十四節気の処暑(しょしょ=太陽黄経が150度になる瞬間)を含む日かそれよりも前で、処暑に最も近い朔(さく=新月)の瞬間を含む日から数えて7日目が「伝統的七夕」の日です。
と調べたらありました。この記事見るとですね。チラムネがスタートした2019年の伝統的七夕は8月7日なんですよ!!
チラムネ5巻は8月の話なはず。しかもなにかが変わる夏になるという。これ!! 来たんじゃない?? ないか……。
以上!! 大雑把ですがまとめました!! どうかな? 言葉にどれだけのおもいが込められてるか、少しでも気づけたかな。
ちゃんと終わらせたあとには、ちゃんと始まりがやってくる。
新しい夏は、サイダーの泡みたいにはじける女の子の汗が連れてきた。
夏はちゃんと始まって、ちゃんと終わる。
終わったときにいるのは誰なんだろう。